加齢で短くなる睡眠を「質の良い睡眠」に変える方法
睡眠がとれないのは加齢のせいなのか?
年齢を重ねるごとに
「深く眠れなくなってきた」
「寝れたのに疲れが全然とれない……」
「夜中に頻繁に目が覚めてしまう」
などと感じている方は多いのではないでしょうか。
睡眠は年齢とともに変化します。
60歳以上になると年齢と共に寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることが増えてきます。
高齢者の早寝早起き自体が悪いわけではないのですが、過度の早寝早起きは睡眠の質が低下しています。
年を取っても一日の1/3を占める睡眠を質のいいものにできれば、体調に関する悩みも軽減されます。
今回は加齢と睡眠の関係性および、睡眠の質を上げるための方法についてご紹介していきます。
健やかな毎日を過ごすためにぜひ参考にしてください!
高齢になるにつれて増える睡眠の悩み
高齢者の睡眠の特徴
朝の目覚めが早過ぎる、ぐっすり眠れないといった、睡眠に関する悩みは多くあります。
主な不眠のタイプは大きく以下の4つに分類されます。
【入眠障害】寝つきが悪くなる
【中途覚醒】翌朝起きるまでに何度も起きる
【早朝覚醒】通常の起床時間より2時間以上早く目が覚めて、再入眠できない
【熟眠障害】深い眠りが得られない
何故、年を取ると必要以上に早寝早起きになるのか
早朝覚醒が起こる原因は様々ですが、
最大の原因は加齢とともに必要睡眠量が減少することです。
高齢になると、体力の低下や社会活動から遠ざかり、
日中の活動量が低下するため、必要とする睡眠量も少なくなってしまいます。
また、加齢に伴って、ホルモンの分泌能力が衰えて睡眠時間が短くなっていきます。
また、中途覚醒について
若い人の場合は、眠り始めの3時間ぐらいで深い睡眠が何度も訪れますが
高齢者の場合は深い睡眠が減るため、
ちょっとした刺激、物音や寒さ、尿意などですぐに目が覚めてしまいます。
健康な人であっても、深い眠りが少なく、途中で目覚める回数が増えてしまいます。
眠れないことによる精神的なストレス
年を取るにつれ、睡眠時間が短くなっていくのはごく自然なことですが、
若い頃のように眠れないと不安を感じ、どうしようと焦ってしまいます。
ですが、
年齢が上がるにつれ、眠りが浅くなる、たくさん眠れないなどは
自然な加齢変化といわれているので、
基本的には日中も元気で過ごすことができれば心配ありません。
一番の問題は
「若いころのように眠れない」「6時間眠るのが良い」と、
睡眠時間にこだわって、眠れないのに寝床で悶々としたり、
「眠れない、眠れない」と眠れないことを気にするあまり
ますます眠れなくなるという悪循環を引き起こす事です。
睡眠不足が引き起こす問題について
睡眠の質が悪い、明らかな睡眠不足になると、どのような症状や影響があるのでしょうか?
日中の活動意欲が低下する
睡眠不足になることで脳の活動量が低下してしまいます。
脳は体全体の司令塔の役割を果たすため、
司令塔が活動しなければ体は活動しなくなります。
その結果、活動量が低下し、
夜眠れなくなるという負の連鎖が起こります。
病気になりやすくなってしまう
不眠症が慢性化すると
生活習慣病をはじめとした病気にかかりやすくなります。
・自律神経の乱れからうつ病
・高血圧
・糖尿病
などのリスクが高ります。
加えて、不眠によってアミロイドβなどの不良タンパクが脳内に溜まってしまい
認知症のリスクが高まることです。
また、免疫機能の低下も招くため
風邪やインフルエンザ、コロナなどのウイルスによる病気にも
かかりやすくなります。
これらの病気の予防のためにも質の良い睡眠はとても大事です。
睡眠時間は長ければ良いというものではない
睡眠不足を改善させるために若い頃のように
1日7、8時間を目指すのは間違いです。
適切な睡眠時間には個人差があるのものです。
「ナポレオンは3時間」
「アインシュタインは10時間以上。」
という話は聞いたことがありませんか?
日中の眠気で困らなければ睡眠時間の長さは関係ないのです。
大切なのは何時間寝たかではなく、質の良い睡眠を取れたかどうかです。
短い睡眠時間でも「質の良い睡眠を取る」ことで日中も元気で過ごせるようにしたいですね!